分子ロボティクスシンポジウム2015

2015年10月27‐28日開催「分子ロボティクスシンポジウム-折り紙工学および群知能との接点を探る-」のプログラムをお知らせいたします。

新学術領域「分子ロボティクス」では、知能と感覚を備えたアメーバ型ロボットおよびスライム型ロボットの研究を推進しています。分子ロボットにおいてはDNAおよびDNAオリガミが構造分子および情報分子として重要な役割をはたしています。また、分子ロボット単体の大きさは非常に小さく、その機能は限られています。このようなことを前提にして、本シンポジウムではDNAオリガミをさらに発展させるためにはどうしたらよいか、分子ロボットに知的な振る舞いをさせるにはどうしたらよいか、という観点から、折り紙工学および群知能との接点を探ります。

(世話人 小長谷明彦 (東工大))

入場無料・当日の参加申し込みも可能です。本シンポジウムの参加証でCBI学会大会のポスター会場に無料で参加できます。分子ロボティクス関連のポスターが30件ほど発表されます。

一般口頭発表およびポスター発表はお蔭様で定数に達しましたので募集を終了させて頂きます。

開催場所
タワーホール船堀  小ホール(東京都江戸川区)
開催期間
2015年10月27日(火)~28日(水) 午後 2:00-5:30
主催
新学術領域「分子ロボティクス」
共催
CBI学会 ( CBI学会大会  の共催シンポジウムとして開催)
参加費
無料(CBI学会大会への登録なしで分子ロボティクスシンポジウム には参加可能)

【プログラム】

◆10月27日(火)2:00-3:30 

折り紙工学と分子ロボティクス

2:00-2:30 村田 智(東北大学):「DNAオリガミ~構造DNAナノテクノロジーの最前線」

現在、化学合成したDNA分子を素材としていろいろなナノ構造物をつくる「構造DNAナノテクノロジー」と呼ばれる分野が急速に発展しています。中でもDNAオリガミという手法は強力で、DNAの塩基配列を工夫することで、さまざまな形や大きさをもつ構造物だけでなく、可動部分をもつような構造をつくることも可能になってきました。ここでは,構造DNAナノテクの最新動向について、わかりやすく解説します。

2:30-3:30  萩原一郎(明治大学):「折紙工学の現状と課題」

日本から多数の優秀な折紙作家が輩出し、Origami は国際語となっている。米国では、Origamiの産業化に期待が集まり、近年大きな研究予算が充てられており、米国の折紙工学研究者数は日本の研究者数よりはるかに多い状況である。しかし、新しい折紙の創成という点では、依然として我が国の貢献が際立つ。本講演では、折紙から誕生した折紙式プリンターや折紙ロボットを含め折紙工学の国内外の動向と展望を述べる。

3:30-4:00 休憩

4:00-5:30 一般講演セッション

4:00-4:15 角五 彰(北海道大学):「DNAを用いたた生体分子モーターの集団運動制御」

生体分子モーターは化学エネルギーを運動エネルギーに変換するアクティブソフトマターで、分子トランスポーターやアクティブプローブとしての応用だけでなく、魚や鳥などの集団運動を実験室レベルで再現するモデル材料として近年注目が集まっている。本講演では生体分子モーターの集団運動をDNAによる分子間相互作用を用いて制御する方法を紹介する。さらに光応答性DNAを用いることで特定の光により生体分子モーターの集団運動が制御可能であること実証する。これらの結果を総括しながら今後の分子ロボット開発の展望について議論したい。

4:15-4:30 菅原 研,土井洋平(東北学院大学):「粉体の動力学をモチーフとした搬送ロボットシステムの提案」

搬送は群ロボットが有効に機能する重要な作業のひとつであり,その適用範囲 も様々な状況においてミクロレベルからマクロレ ベルまで幅広いものとなっている.ここではブラジルナッツ効果をヒントにして,必要最小限の機能を有 する群ロボットによる新しい搬送方法を提案し,その基本特性について論じ る.搬送対象をセンサによって陽に認識することなく,ランダム力とゴールか らの斥力 のみによってロボットを駆動する単純な仕組みであるにも関わらず,搬送対象をゴールまで搬送できることを示す.また、単純なヘテロな系 を導入することでより幅広い密度範囲で成功率が向上すること,ならびにゴー ル付近での保持性能も向上できることも示す.

4:30-4:45 Anissa Lamani(九州大学):「Self-oscillation in population protocols」

Many biological systems exhibit remarkable autonomous behaviors. Designing protocols in order to give arti ficial distributed systems these autonomous properties has been the motivation of several investigations in distributed computing including our work. One of the attractive autonomous behaviors is the self-oscillation observed for instance in the BZ chemical reaction. In this paper , We investigate such a behavior considering the population protocol (PP) model.
The PP model was introduced by Angluin at all to model passive distributed systems, in which a collection of finite-state agents interact with each other in order to accomplish a common task, that is in our case, to emerge an oscillatory behavior. Computations in PPs are performed through pairwise interactions i.e., when two agents interact, they exchange their local information and update their state according to a common protocol. The interaction pattern is unpredictable i.e., it is usually assumed that there is an external entity, called scheduler, which is in charge of selecting at each instant, the pairs of agents to interact. PPs can represent not only artifi cial distributed systems such as sensor networks and mobile agent systems, but also natural distributed systems such as chemical reactions and biological systems. The problem is addressed under the following two settings:  Deterministic scheduler. We show in this case that the self-stabilizing oscillation problem is at least as difficult as the self-stabilizing leader election problem, and hence at least n states are necessary to solve the problem. Where n is the size of the population.  Probabilistic scheduler. In this case, if the scheduler is also synchronous, we solve both the self-stabilizing synchronization problem and the self-stabilizing oscillation problem, we then present a PP that ensures that given a periodic function f, the function can be represented by a non empty set of populations that exhibit an oscillatory behavior.

4:45-5:00 安井 真人(理化学研究所):「ゆらぎの大きい環境下で細胞が電場を認識するメカニズム」

搬送は群ロボットが有効に機能する重要な作業のひとつであり,その適用範囲 も様々な状況においてミクロレベルからマクロレ ベルまで幅広いものとなっている.ここではブラジルナッツ効果をヒントにして,必要最小限の機能を有 する群ロボットによる新しい搬送方法を提案し,その基本特性について論じ る.搬送対象をセンサによって陽に認識することなく,ランダム力とゴールか らの斥力 のみによってロボットを駆動する単純な仕組みであるにも関わらず,搬送対象をゴールまで搬送できることを示す.また、単純なヘテロな系 を導入することでより幅広い密度範囲で成功率が向上すること,ならびにゴー ル付近での保持性能も向上できることも示す.

5:00-5:15 遠藤 政幸(京都大学):「分子ロボットの感覚となるDNAオリガミ構造体と脂質二重膜との相互作用」

自由に構造設計できるDNAオリガミは構造だけでなく、センサーや分子機械にも応用がなされてきている。私たちはDNAオリガミ構造体と脂質二重膜との相互作用を使って、規則的な集合体を作成できることを見出し、その形成過程を原子間力顕微鏡を使って可視化している。私たちはこれらの技術を生かし、リポソームの内外で情報交換するためのDNA構造体「人工レセプター」を作成し、分子ロボットの感覚に応用する技術の開発を行っている。本講演では、センサーとなるDNAオリガミ構造体の作成とターゲット分子に対する応答、さらに脂質膜との相互作用について発表する。

5:15-5:30 鈴木 泰博(名古屋大学):「鎖置換反応をもちいた化学反応ネットワークの力学的特徴と分子ロボットの知能への応用」

近年、化学反応の抽象モデルである化学反応ネットワーク(Chemical Reaction Network, CRN)の研 究が盛んになり、DNA分子間の鎖置換反応をもちいた生化学的な実装法の提案もなされている。鎖置換反応は分子ロボティスクの研究においてもよく用いられている反応であるが、この反応を用いてCRNを実装する場合、単純な反応であっても、入力分子→中間体分子→出力分子、のように“中間体分子”が必要となる場合が多い。このような中間体分子は、実装をしようとしているCRNの力学的特徴を本来とは異なるものとしてしまう。この力学的特徴を生かし、分子ロボットに自律的な知能をもたせる 方法を探る。

5:30-7:30 ポスター発表 (CBI学会大会ポスター会場)

 

◆10月28日(水)2:00-3:30 

分子ロボットにおける「知能」とは?パート1

2:00-2:30 萩谷昌己(東京大学):「分子ロボットあるいはlearnionとcomputonによる知能モデルの提案」

新学術領域「分子ロボティクス」では、分子ロボットの知能が組み合わせ回路から、順序回路(状態機械)を経て、学習適応システムへと発展する構想が描かれている。本講演では、分子ロボットの群(swarm)が、電子回路を含む計算機械(computon, 計算子と呼ぶ)同士を結ぶメディアとして働くモデルを提案する。個々の分子ロボット(learnion, 学習子と呼ぶ)は、その伝達する信号によって互いに協調しながら状態遷移を行い、その結果を物質構造として定着させる。分子ロボットの群はcomputonにとって環境知能を構成する。

2:30-3:00 Olaf Witkowski (Univ. of Tokyo):「Signal-Driven Swarm Intelligence and Evolutionary Robotics」

Colonies of bacteria, swarms of insects and flocks of birds all exhibit a swarming behavior based on local interaction and individual decision making. Identifying the minimal features leading to the emergence of such behavior is fundamental to our understanding of collective behavior. Decentralized swarm control is crucial in fields of application where control is costly, such as space exploration or nanorobotics.

I will introduce a minimalist model of swarming based uniquely on agents exchanging basic signals between each other. The agents evolve a swarming behavior through an asynchronous evolutionary algorithm, surprisingly allowing them to reach goal areas which they are unable to detect directly.

This minimalist approach paves the way for future research on the emergence of signal-based swarming as an efficient collective strategy for uninformed search.   In the long run, the hope is to implement swarms of decentralized robots capable to reach higher levels of problem solving.

3:00-3:30 郡司ペギオ幸夫(早稲田大学):「群れにおける内部予期」

動物の群れは、局所的に定義される近傍内の規則だけで群れの挙動が出現する点および相転移現象の出現という点で当初注目された。しかし画像解析技術の進展後、局所的規則や近傍概念自体が揺らぎ始めている。筆者は、その原因を、非同期な相互作用を同期がとれていると仮定することに求めている。このとき相互作用には、自発的ゆらぎと予期が内在することになる。ここでは、ミナミコメツキガニのデータを通してこれらを解読する。

3:30-4:00 休憩

4:00-5:30 分子ロボットにおける「知能」とは? パート2

4:00-4:30 木賀大介(東京工業大学):「生命の起源と初期進化における、情報と「知能」の出現」

生命の起源にかかわる研究者のなかで、生命の起源とはある一点を表すのではなく、一連のイベントの総体として起源を認識するべきだ、という認識がおおむね共有されている。また、演者が同意する、一言で表せる生命の本質は、「自分が壊れる前に自分とだいたい同じものをつくる」ということになる。この意味で、生命の起源は情報伝搬・増幅の起源ともいえる一方、「だいたい」という曖昧さが示す通り、生命を適宜することも難しい。合成生物学による「生命もどき」の創出は、この曖昧さを具現化することで定義・起源の問題に切り込んでいる。分子ロボットに実装される「知能」も、同様の問題提起を行っているか、についても議論を進めたい。

4:30-5:00 中島秀之(公立はこだて未来大学):「知能と環境」

AI研究の歴史を概観すると、個体知能から集団知能へ、孤立知能から環境に埋め込まれた知能へという方向性がうかがえる。環境と相互作用しながら集団で動く知能という観点は分子ロボティクスにとって自然かつ必須の方向であると考える。しかしながら、何を環境と考え、どのような相互作用を行うかということは自明ではない。環世界、状況依存性、オートポイエシスなどの概念を踏まえ、知能の本質に迫りたい。

5:00-5:30 小長谷明彦(東京工業大学)(モデレータ)および講演者:総合討論「分子ロボットにおける「知能」とは?」

パネル討論形式で、当日の講演者から分子ロボットが目指すべき「知能」について忌憚のないご意見を拝聴する。既成概念に捉われず、50年後、100年後を見据えて、あるべき姿について自由に意見を述べて頂く。

5:30-6:30 ポスター発表(CBI学会大会ポスター会場)

2015symposium0810PDFはこちらからダウンロードできます

 

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